2026年の「6月うしかい座流星群」は、観測条件は“普通”です。

ただしこの流星群は、年によって出現数が大きく変わる“気まぐれタイプ”。
当たり年は一気に増えることもあります。
極大は6月22日 10:00ごろとされ、ピーク時刻は日中です。
だからこそ、ねらい目は前後の夜。月明かりは少し気になりますが、晴れ間が出たら短時間でも空を見上げる価値があります。

まずはサクッと、2026年「うしかい座流星群の基本データ」を見ていきましょう。
2026年「6月うしかい座流星群」観測ポイント早見表
2026年「うしかい座流星群の基本データ」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 流星群名 | うしかい座流星群(6月うしかい座流星群/June Boötids) |
| 活動期間 | 6/22〜7/2 |
| 極大(ピーク目安) | 6/22 10:00ごろ(日本時間)※6/22 01:00 UT |
| 月齢 | 6.9(上弦前後)→ 月明かりは少し気になる |
| 条件 | 普通 |
| 特徴 | 年によって出現数が大きく変動(突発的に増える年がある) |
| 2026年の狙い目 | 極大が日中なので、ねらい目は前後の夜: ・6/21夜〜6/22明け方 ・6/22夜〜6/23明け方 ※活動期間中、晴れた夜があれば短時間でもチェック推奨 |
| 突発出現(アウトバースト) | 現時点で強い増加予報はなし(ただし“予報なし=絶対なし”ではない) |
※ピーク時刻などは IMO(国際流星機構)の2026年流星群カレンダー、日本向けの整理は IPRMO(国際流星観測者連盟 日本支部) の資料も参考にしています。

では次に、この流星群が“年によって出方がガラッと変わる”のはなぜなのか?
そこをサクッと知っておくと、「いつの夜に粘るべきか」「どの空を広く見ればいいか」が一気に分かりやすくなります。
6月うしかい座流星群って、どんな流星群?

ざっくり言うと「気まぐれだけど、当たると強い」タイプ
6月うしかい座流星群(June Boötids/学術コード:170 JBO)は、毎年だいたい6月下旬〜7月はじめに活動する流星群です。
ふだんは出現数が少ない年も多いのですが、年によっては急に活発化(突発出現)することがあります。

この流星群のいちばん大きな特徴は「年によって出方がガラッと変わる」ことです。
母天体は「7P/ポンス・ウィネッケ彗星」
この流星群の母天体(チリの出どころ)は、7P/ポンス・ウィネッケ彗星とされています。
地球がこの彗星由来のチリの流れを横切るとき、夜空では流れ星として見えます。
流れ星は「ゆっくりめ」:観察しやすい長所も
対地速度は約18km/sとされ、流星群の中では遅め(=ゆっくりめ)です。

一瞬で消えやすい高速流星に比べて、見つけられると動きが追いやすいことがあります。
放射点の目安(どのあたりから飛び出すように見える?)
放射点は名前の通りうしかい座付近です。
データ例としては赤経224°/赤緯+48°が挙げられています (※年や資料で細部は多少前後します)。
じゃあ、なぜ「年によって変動」するの?
6月うしかい座流星群は、観測や研究でも活動が不規則な流星群として扱われています。
静かな年もあれば、突発的に増える年が報告されることもあります。

ここまでで、「ふつうの流星群よりピークが読みづらい」という性格が見えてきました。
次は、2026年のデータをもとに“結局いつの夜を狙えばいい?”を、 日本の夜更かし目線でわかりやすく整理していきます。
2026年「うしかい座流星群」いつ見ればいい?(日本の“狙い目の夜”)

まず結論:ピーク時刻は日中。でも「前後の夜」が実戦チャンス
IMO(国際流星機構)の2026年版カレンダーでは、6月うしかい座流星群(170 JBO)は6月22日ごろに極大が来る可能性が示されています。
さらにIPRMO(国際流星観測者連盟 日本支部)は、通常ピーク時刻を6月22日10時(日本時間)ごろと整理しています。

つまり、計算上のピークは日本では日中です。
そこで大事なのが、「ピーク時刻ぴったり」より「前後の夜に拾いにいく」という考え方です。
- 第一候補(本命):6/21夜〜6/22明け方
- 第二候補(本命):6/22夜〜6/23明け方
IPRMOも「仮に何らかの活動があったとしても、この日時(6/22 10時)とは限らない」と注意しています。
「6/27ごろがピーク」と書かれている場合は?
一方で、案内によっては「6/27ごろが極大」として紹介されることもあります(IMOの“通常の見積もり”として示されることがあります)。
2026年については、IPRMOが「近年のビデオ観測結果を踏まえ、IMOの2026年版カレンダーではピーク位置が見直された」点にも触れています。
なので2026年は、こう考えるのが現実的です。
- 基本は 6/21〜6/23 の夜を軸にする(まずここを押さえる)
- 余裕がある人は、念のため6/26〜6/28も「晴れてたらついでに空チェック」(変動に備える)
その夜の「何時ごろ」がいい?(宵のうちからチャンス)
6月うしかい座流星群は、放射点(うしかい座付近)が夕方〜夜の早い時間から見やすい位置になりやすい流星群です。
IMOの解説でも、放射点は日没後、空が暗くなってくる時間帯に好条件とされています。
つまり、
- 夜更かしできるなら:日没後〜深夜(長く見るほど有利)
- 短時間しか無理なら:宵のうちに15〜30分だけでもOK
という組み立てで大丈夫です。
月の条件は?(月齢6.9=上弦前後:月明かりは“少しだけ”気にする)
2026年は、国立天文台の暦要項で6/15 11:54 新月、6/22 6:55 上弦とされています。

極大付近は月齢7前後で、月明かりは少しだけ気にしたい状況です。
- 月を視界に入れない(月を背にする/建物や木で隠す)
- 街灯の少ない場所を選ぶ
この2つだけでも、見え方はかなり変わります。
次は、いちばん迷いやすいところです。
「結局、どの方向を見ればいいの?」を、うしかい座の探し方からやさしく案内します。
どの方向を見ればいい?(放射点の探し方・見るべき空)

結論:目安は「うしかい座」付近。空は“広め”に見るのがコツ
6月うしかい座流星群は、流れ星がうしかい座付近(放射点)から飛び出すように見える流星群です。
放射点は目印として意識しつつ、実際は空の広い範囲をゆったり見渡すほうが、流れ星を見つけやすくなります。
うしかい座は「アルクトゥルス」を見つけると早い
うしかい座の目印は、オレンジ色っぽく見える明るい星アルクトゥルスです。
いちばん定番で分かりやすいのが、北斗七星からたどる方法。
- まず北斗七星を探す
- 柄(持ち手)のカーブを、そのまま弧を描くようにのばす(いわゆる「アーク・トゥ・アルクトゥルス」)
- その先に見つかる明るい星がアルクトゥルス
アルクトゥルスが見つかったら、もう「うしかい座はこのあたり」と見当がつきます。
放射点の位置の目安(だいたいでOK)
IMOの解説では、放射点はうしかい座の北西寄りで、位置の目安として赤経224°/赤緯+48°付近が示されています。
また、北斗七星の柄の先の星(アルカイド)から東へ約15°とも説明されています。
ただし、ここまでピンポイントに探せなくても大丈夫です。
「アルクトゥルスが見つかった」「うしかい座がだいたい分かった」なら、観察はもう始められます。
時間帯のヒント:宵のうちからチャンス
IMOは、この流星群の放射点は夕方〜宵(空が暗くなってくる時間帯)に条件がよい、としています。
「深夜まで粘れない日」でも、宵のうちに短時間見上げる価値があります。
最後に、この記事の要点を短い箇条書きでまとめます。
まとめ(2026年 6月うしかい座流星群)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 活動期間 | 6/22〜7/2 |
| 極大の目安 | 6/22 10:00ごろ(日本時間)(ピークは日中) |
| 月齢 | 6.9(上弦前後)→ 月明かりは少し気になる |
| 2026年の狙い目 | 6/21夜〜6/22明け方 6/22夜〜6/23明け方 できれば両方。短時間でもOK |
| 見る方向 | 目安は「うしかい座」付近。アルクトゥルス(明るい星)を見つけると探しやすい |
| この流星群の最大ポイント | 年によって出現数が大きく変わる(突発的に増える年がある) |
| 直前チェック | IMOの週報・見通し(Meteor Activity Outlook)と、IPRMOの日本向け整理を確認すると安心 |
晴れた夜が来たら、それがチャンスです。宵のうちに15分でも空を見上げて、2026年の“気まぐれな流星群”をぜひ拾ってみてください。


6.9(上弦前後)→ 月明かりは少し気になる
