「百獣の王」ともいわれるライオン。強くてかっこいい“オスライオン”が獲物をしとめている――そんなイメージ、ありませんか?

実は、狩りをするのはメスライオン。

えっ?どうして?オスのほうが強そうなのに…
ちょっと不思議ですよね。
じつは、そこにはライオンだけの“チームワーク”の秘密があるんです。
オスとメスの体のちがいや群れのしくみ、そして自然のルールを知れば、「なるほど!」ときっと思えるはず。
この記事では、そんなライオンの意外な生態をやさしく解説していきます!
ライオンは“群れ”で生きるネコ科唯一の動物
ライオンは、ネコの仲間(ネコ科)の中で唯一、群れで生活する動物です。

へぇ~!トラやチーターもネコっぽいのに、どうして群れを作らないの?

トラやチーターなど他のネコ科動物は、基本的に単独行動。ひとりで獲物を探し、ひとりで食べて、子育ても母親だけで行います。

でもライオンだけはちがいます。家族を中心とした「群れ(プライド)」を作ってくらしているんです。
この群れは、母ライオン・姉妹・娘などのメスたちが中心。さらに数頭のオスがそこに加わることもありますが、オスは数年ごとに入れ替わることが多いです。
群れで生きるメリットって?
- 1頭で暮らすよりも、協力して子育てや狩りができるという大きなメリットがあります。
- 特にアフリカの広いサバンナでは、群れで行動することで、強力なハンター集団になるのです。
「みんなで助け合うチーム」というライオンの特徴は、このあと紹介する「狩りのスタイル」や「役割分担」にも深く関係しています。
メスが狩りをする理由「体のつくりとチームワーク」

ライオンの「狩り」は、群れの中のメスたちの大切な仕事です。

オスの方が大きくて強いのに、どうして狩りをしないの?
実は、この“役割分担”こそが、ライオンの群れがうまくやっていくための秘けつなんです。
オスは目立ちすぎる⁉

ライオンのオスは、体が大きくて、黒くて立派な「たてがみ」があります。
「立派なたてがみ」はかっこいいけれど、サバンナの草の中ではとても目立ってしまうんです。
広い草原では、気配や姿がちょっとでも見えると、すぐに獲物にバレて逃げられてしまいます。
一方で、メスは体が少し小さくて、色も地味。
草の中にかくれて近づくのにぴったりの体つきをしています。
チームワークで協力するメスたち
メスライオンたちは、姉妹や親子、親せきどうしで構成される「なかよしグループ」です。
このグループで協力しながら、
- 待ち伏せする役
- 獲物を追いこむ役
など、うまく分担して狩りを行います。
だからこそ、高いチームワークが必要なんです。
そこにオスが急に加わってしまうと、「今動いちゃダメ!」「ああ、タイミングずれた…!」
となってしまうかもしれません。
オスが“何もしない”わけじゃない!大切な守り役

ライオンのオスって、いつも寝てばかりじゃない?狩りをしないなんて、ちょっとズルい…

そう思ってしまうのも無理はありません。でも、それは“表からは見えにくい役割”を担っているからなんです。
群れの「ボディーガード」
オスライオンの一番の仕事は、ずばり群れを守ること。
たてがみは“飾り”ではなく、実は首まわりをケガから守るための鎧(よろい)のような役割もあるんです。
とくにオスが活躍するのは――
- ハイエナや他のライオンが近づいてきたとき
- 赤ちゃんライオンが危険にさらされたとき
このようなとき、オスは大きな体と力で戦い、群れを外敵から守ります。

「狩りより戦いの方が得意」それがオスライオンなのです。
オスもときどき狩りをすることもある
実はオスが狩りをすることもあります。

たとえば、メスとはぐれてしまったときや、ひとりで生活している「若いオスライオン」などは、自分で狩りをして生きています。
ただし、群れの中では「守り役」がメイン。“見えないところで支える”ことが、オスの大切な仕事なのです。
メスがリーダーなのはライオンだけじゃない?

ライオンの群れのリーダーは、オスじゃないの?

たてがみもあるし、体も大きいし、まるで“百獣の王”って感じがするから、そう思っていた人も多いかもしれませんね。
実は、ライオンの群れのリーダーはメスなんです。
群れをまとめるのは「家族のメスたち」
ライオンの群れは、母ライオン、姉妹、娘、いとこ、おばさんなど、血のつながったメスたちで作られたチーム。
このメンバーが、長い時間をかけて信頼関係を育てていきます。
オスは数年で入れ替わることが多く、群れにとっては“途中から入ってきた存在”。
だからこそ、群れの中心はいつも同じメスたちなのです。
狩りも、子育ても、移動のときの判断も、メスたちが協力して進めます。
まさに、しっかり者のお母さんたちが支えているような感じですね。
メスがリーダーの動物は他にも!
「えっ?そんなのライオンだけじゃないの?」
いえいえ、実は他にも“メスがリーダー”の動物はたくさんいるんです。
たとえば――
- 🐘 アフリカゾウ:群れの先頭に立つのは、通常は一番年長のメスです。
- 🐺 ブチハイエナ:メスのほうが体が大きく、オスよりも力が強い。
- 🐬 シャチ(オルカ):経験豊富な母親シャチが群れのリーダーとなり、子や孫たちを一生にわたり導く。
動物の世界には、「リーダー=オス」というわけではなく、その種の生活スタイルに合った分担があるのです。
まとめ:ライオンのチームワークに学ぶこと
ライオンから学べること
- 誰か1人がすごいから成り立っているわけではない
- 協力し合って、役割を分担することが大切
- 「目立たない役割」にも、大きな意味がある
ライオンの世界では、オスとメスで役割が分かれていることがわかりました。
メスたちはチームで協力しながら狩りをし、オスは群れを守る“ボディーガード”のような存在。
そして、リーダーとして群れをまとめているのも、長年一緒に生きてきたメスたちでした。

強いオスがリーダーだと思ってたから、ちょっとびっくり!

それぞれが得意なことを活かして、チームで支え合っているという点では、人間の社会にも似ているかもしれませんね。