記事内に広告が含まれています。

なぜ昆虫は小さいの?巨大な虫がいない理由を科学で解説!

生物

「昆虫って、どうしてあんなに小さいんだろう?」

結論から言うと、昆虫が小さいのは「呼吸の仕組み」と「体のつくり」に関係しています。
そして、昔の地球では“今よりはるかに大きな虫”が本当に存在していたんです!

「もし、ゴキブリが犬くらいのサイズだったら……」と考えると、ちょっとゾッとしますよね。でも、そんな巨大な虫がいないのには、ちゃんとした“科学的な理由”があります。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

\今売れています/
Amazon売れ筋ランキング[PR]

なぜ虫は小さいのか?──その理由を最初にお伝えします!

結論から言うと、虫が小さいのは「呼吸の仕組み」と「体のつくり」、そして「地球の環境」によるものです。

✔ すぐにわかる!虫が小さい主な理由

  • 呼吸のしくみ昆虫は気管で酸素を取り入れるため、大きな体では酸素が行き届きにくい
  • 外骨格体の外側が硬い殻でできていて、重くなりすぎると支えきれない
  • 酸素濃度現在の地球の空気は酸素が少なめ(約21%)で、大きな虫には不利
  • 進化の流れ小さくて素早く動ける虫の方が生き残りやすかった

実は昔、地球には70cmもあるトンボのような巨大な昆虫もいたんです!

でも、今ではなぜいなくなったのか? どうして小ささが必要なのか? このあと、順番にわかりやすく説明していきます。

スポンサーリンク

1.呼吸のしくみ:体が大きいと酸素が届かない?

昆虫には肺がないって知ってた?

昆虫には肺がありません。

私たち人間は「肺(はい)」を使って呼吸をしますよね。 空気を吸って、肺の中で酸素と二酸化炭素を入れ替えています。

でも、昆虫には肺がありません

代わりに、「気門(きもん)」という小さな穴が体の側面にあり、そこから空気を取り込みます。

昆虫は気門から空気を取り込みます。

気門から気管へ──独特の呼吸法

空気は「気管(きかん)」という細い管を通って、体の中の細胞に直接届きます。

このように、肺や血液を使わず、空気を直接届ける呼吸方法を「気管呼吸(きかんこきゅう)」と呼びます。

  • 気門: 空気を取り入れる小さな穴(体の横にある)
  • 気管: 空気を体の中に運ぶ管(血液は使わない)
  • 気管呼吸: 気門と気管で行う、昆虫の独自の呼吸法

呼吸方法の違いの美しい科学アニメーションが、 Tabletop Whale にて公開されています。 制作者は Eleanor Lutz さんです。

だから、体が大きいと不利になる

気管はとても細いので、体が大きくなると、酸素がすみずみまで届きません

そのため、昆虫は「体が小さい方が酸素を効率よく届けられる」のです。

人間のように肺や血液を使う生き物とちがって、 昆虫の体のつくりは、「小ささ」を必要とする構造になっているんですね。

スポンサーリンク

2.外骨格:重くなりすぎるとつぶれてしまう?

昆虫の体は「外側が骨」になっている

人間や犬、鳥などは体の内側に骨(内骨格)がありますが、昆虫はその反対で、体の外側にかたい「外骨格(がいこっかく)」があります。

この外骨格は、体の中を守ったり、筋肉を支えたりするはたらきがあります。

たとえば、カブトムシのツヤツヤしたかたい羽や、ダンゴムシの殻も外骨格の一部です。

でも、大きくなりすぎると支えきれない

外骨格は体の外から支える構造なので、体が大きくなればなるほど重くなり、重さに耐えられなくなってしまいます。

特に足や関節の部分に負担がかかりやすく、自分の重さでつぶれてしまう可能性もあるのです。

重さと支える力のバランスが崩れる

理科で習う「体積と表面積の関係」も関係しています。

  • 体の重さ(体積)は、サイズの3乗に比例します:\( \propto r^3 \)
  • 外骨格の強さ(表面積)は、サイズの2乗に比例します:\( \propto r^2 \)

つまり、体が大きくなると、重さの方がどんどん増えてしまうのです。

だから、外骨格の虫は「小さい方がいい」

内骨格(骨のある動物)は中から支えられますが、外骨格は外側だけが支えです。

そのため、体が大きくなると、動くだけでも大変ですし、足や殻が壊れてしまうおそれもあります。

つまり、外骨格の生き物である昆虫は、「小さいサイズ」がいちばん動きやすく、安全に生きられるのです。

スポンサーリンク

3.酸素濃度:空気の酸素が少ないと巨大昆虫は生きられない

昔は空気にもっと酸素があった!?

実は、約3億年前の地球(石炭紀)には、今よりも酸素がずっと多くふくまれていたことがわかっています。

現在の大気中の酸素は約21%ですが、当時はなんと30〜35%もあったとされています。

大昔の地球のような酸素の多い環境では、気管で呼吸をする昆虫でも、酸素を体のすみずみまで届けやすかったのです。

だから巨大な虫が存在できた

メガネウラ

約3億年前の地球(石炭紀)には、「メガネウラ」という翼を広げると70cmにもなる巨大なトンボのような昆虫が生きていました。

これは、豊富な酸素のおかげで、大きく育つことができたと考えられています。

でも、今は酸素が少なすぎる

その後、地球の環境が変化し、酸素の割合はだんだんと減っていきました。

現代では、酸素濃度が21%しかないため、大きな体の昆虫では酸素が行き渡らず、生きのびることができません。

その結果、巨大な昆虫たちは絶滅し、現在のような「小さな虫」が主流になっていったのです。

環境が体のサイズを決めている

つまり、現在の酸素濃度では「虫は大きくなれない」ような空気になっているとも言えます。

空気中の酸素の量という、一見目に見えないものが、虫の体のサイズに大きな影響を与えているのです

スポンサーリンク

4.進化の流れ:小さくてすばやい虫が生き残った

進化とは「生き残るための変化」

「進化(しんか)」とは、生き物が長い時間をかけて環境に合わせて変化していくことです。

虫たちも、何億年ものあいだに、さまざまな環境の変化に適応してきました。

その中で「小さくてすばやく動ける虫」が、生き残りやすかったのです。

小さいと、どんなメリットがある?

  • 敵に見つかりにくい
  • すばやく動いて逃げられる
  • 狭い場所にもかくれられる
  • 少ない酸素でも生きられる

こうしたメリットがあるため、大きくて動きがにぶい虫よりも、小さな虫の方が生き残るチャンスが多かったのです。

小さくなる=生きのびるための選択

虫たちは「自分の意思で小さくなった」わけではありません。 でも、大きすぎて環境に合わなかった虫は、自然と絶滅していきました。

その結果、生き残ったのは「小さくて環境に強い虫たち」だったのです。

小ささは、長い進化の中でえらばれた「武器」

今わたしたちが目にする小さな虫たちは、進化という長い歴史の中で選ばれてきた生き残りのチャンピオンとも言えます。

小さな体には、大きな“生き抜く力”がつまっているのですね。

昆虫の「小ささ」には、科学と進化が選んできた理由があったんですね。

タイトルとURLをコピーしました