「最近、なんだか夏が長くて、暑すぎる気がする…」
そう感じている人は多いのではないでしょうか。実際、2025年の6月は、全国的に記録的な高温を観測しました。

でも、これはただの「異常気象」ではないかもしれません。
地球の気温は、じわじわと確実に上がってきているのです。
この記事では、なぜ地球が暑くなっているのか、その理由をやさしく解説しながら、もしこのまま温暖化が進んだら、私たちの暮らしはどうなってしまうのか?
そして、今からでもできる地球を守るための行動について、わかりやすく紹介していきます。
※この記事は2025年7月2日に執筆しております。
いま本当に暑くなっている?──2025年6月の記録的暑さ
結論から言うと──2025年の6月、日本は過去にないほど「暑い6月」でした。
気象庁の発表によると、2025年6月の日本の平均気温は、平年よりも+2.34℃高く、統計が始まって以来の最高記録を更新しました。
特に東北や北海道では、6月にもかかわらず真夏日(30℃以上)を何度も観測。
関東でも6月中旬から連日「熱中症警戒アラート」が発表され、6月というより“まるで真夏”のような暑さが続きました。

実はこの傾向、今年だけの話ではありません。
気象庁の長期データによれば、日本の平均気温は過去100年で約1.4℃も上がっていることが分かっています。
特に1990年代以降、夏の気温上昇は加速していて、「毎年のように“過去最高”を更新している」状態です。
🌡️ なぜ6月からこんなに暑いの?
この2025年6月の異常な暑さには、気象的な原因もあります。
- 太平洋高気圧が通常よりも強く、日本列島に長くとどまっていた
- 上空の風(偏西風)が蛇行し、日本の上に“熱のふた”のような空気の塊(ヒートドーム)ができた
これにより、地表の熱が逃げにくくなり、昼間だけでなく夜も気温が下がらず、蒸し暑さが続いたのです。

しかし、こうした気象の現象に加えて、「地球全体の気温が上がっている」という背景があることも忘れてはいけません。
つまり、気象の一時的な変化だけではなく、長期的な温暖化の影響が重なって、異常な暑さが起こりやすくなっているのです。
このように、2025年の6月の暑さは、単なる偶然ではなく「ずっと暑くなりつつある地球の未来のひとコマ」だったのかもしれません。
なぜ気温が上がっているの?──地球温暖化の正体
結論:地球の気温が上がっているのは、人間の活動が原因です。
「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」という言葉、聞いたことがある方も多いと思います。
これは、地球全体の気温が、少しずつ上がっている現象のことです。その原因のほとんどは、わたしたち人間の生活や産業によるものだと、科学的に分かっています。
🌿 なにが「温暖化」を引き起こすの?
地球温暖化を引き起こしている一番の理由は、「温室効果ガス(おんしつこうかがす)」の増加です。
とくに重要なのが、以下の3つのガスです。
- 二酸化炭素(CO₂):石油や石炭を燃やしたときに出る
- メタン:牛のげっぷや、ごみの埋め立てなどから出る
- 一酸化二窒素(N₂O):化学肥料などから出る

これらのガスは、空気の中にまざって、地球のまわりに「見えない毛布」のように広がります。
そして、太陽から来たエネルギー(熱)を地球の外に逃がさず、気温をじわじわ上げてしまうのです。これを「温室効果」と呼びます。
🔥 なぜ増えているの?
一番の原因は、人間の活動です。
- 車やバス、飛行機を動かすためのガソリン
- 電気を作るための火力発電
- 工場でのものづくり
- 過剰な森林伐採(木が減ると、CO₂を吸ってくれる力が弱まる)
これらによって、大量の二酸化炭素が空気中に出ていきます。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、産業革命以降、人間活動によってCO₂が爆発的に増えたことが、現在の温暖化の主な理由だとされています。
☀️ 「自然の変化」とはどう違うの?
「昔から気温は上がったり下がったりしているんじゃないの?」と思うかもしれません。
たしかに、氷河期(ひょうがき)や間氷期(かんぴょうき)など、自然のサイクルによる気温変動もあります。

でも、今回の気温の上がり方は、スピードがまったく違います。
- 過去100年で約1.1℃上がった(産業革命前と比べて)
- 特にここ50年で急上昇している
- これは、過去1000年以上で見ても「異常な速さ」
つまり、人間が出しているガスによる温暖化と、自然の変化は、まったく別ものなのです。
このように、今の「暑くなり方」は、自然にまかせているだけでは説明できません。

わたしたちの暮らしが、地球の気温を少しずつ押し上げてしまっているのです。
地球の気温、これからどうなる?
結論:このまま何もしなければ、地球の気温はさらに上がり続けます。
地球の平均気温は、すでに産業革命のころと比べて、約1.1℃上がっています。

「たった1℃」と思うかもしれませんが、これは世界全体での数字。私たちの暮らしや自然にとっては、とても大きな変化なんです。
📈 2030年代には「+1.5℃」の時代に?
国連の「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の報告によると、このまま温室効果ガスをたくさん出し続けると、2030年ごろには+1.5℃に達すると予測されています。

+1.5℃になると、次のようなことが起こりやすくなります。
- 猛暑日(35℃以上)が大幅に増える
- 干ばつや洪水などの自然災害が増える
- 氷河が急速にとけ、海面が上がる
- 生きもののすみかが減り、絶滅する種も出てくる
特に日本では、夏の暑さが“新しい普通”になってしまうとも言われています。
🏙️ 未来の夏、どうなっちゃうの?
気象庁の予測では、東京の夏は将来、現在の鹿児島や那覇のような熱さになるかもしれないと示唆されています。
※鹿児島は今でも東京より夏の平均気温が約2~2.6℃高く、夜もなかなか涼しくなりません。気温が2℃ほど上がると、東京も同じような暑さになる可能性があるのです。
🧊 エアコンなしでは生活できない?
東京都消防庁の最新データ(令和6年=2024年5~9月)では、熱中症による救急搬送者が過去最多になっています。
また、多くが夜間に自宅でエアコン未使用で発症している点も注目されています。
つまり、夜も涼しくならない夏が続くと、「夜間のエアコン」は生活の必需品になりつつあるのです。
🏫 夏の部活動が「危険」に?
気温が35℃を超えると、外で運動をすることが健康にとって危険なレベルに達します。
すでに一部の中学校では「夏の午後は部活を中止」する動きもあります。
これが全国的に広がれば、運動やスポーツのあり方そのものが変わるかもしれません。
🌾 お米や野菜がうまく育たない!?
気温が高すぎると、作物の成長にも悪影響が出ます。
- お米が「白く濁った粒」になり、品質が落ちる
- レタスやキャベツが巻かなくなる
- リンゴやモモなどが色づかず、売り物にならない
気温とともに水不足や病害虫のリスクも高まるため、安定した食料の供給がむずかしくなる恐れも出てきます。
🚰 水と電気の「争奪戦」も?
猛暑が続くと、電気の使用量がピークに。エアコンや冷蔵庫に多くの電力が使われ、電力不足や停電のリスクも上がります。
同時に、雨が少ないと水不足に。節水制限や断水が起きると、生活だけでなく農業や工業にも大きな影響を与えます。
このように、未来の暑さは単に「不快」なだけではなく、私たちの暮らしを根本から変えてしまう可能性があるのです。
🔁 でも、未来はまだ変えられる!
ここまで読むと「もう手遅れなの?」と不安になるかもしれません。
でも、世界中で協力して温室効果ガスを大きく減らすことができれば、気温の上昇を+1.5℃や+2.0℃のラインで抑えることも、まだ可能だといわれています。
これからの地球は、わたしたちの選択しだいで「もっと暑い世界」にも「まだ持ちこたえられる世界」にもなり得るのです。
地球の未来を守るために、私たちができること
結論:小さな行動の積み重ねが、地球の未来を変えます。
地球温暖化は、とても大きな問題です。でも、「自分には関係ない」と思わずに、小さな一歩を踏み出すことが大切です。私たち一人ひとりの生活が、温室効果ガスを少しずつ減らし、地球の未来を守る力になります。
🌱 日常生活の中でできること
🛒 ① 買い物を少し意識する
- マイバッグやマイボトルを使う
- 食べ物をムダにしない(食品ロスを減らす)
- 地元で作られた野菜や製品を選ぶ(運送にかかるエネルギーを減らせます)
小さな選択でも、CO₂の排出量を減らすことにつながります。
💡 ② エネルギーの使い方を見直す
- 使っていない電気はこまめに消す
- 夏も冬も、エアコンの温度を1℃控えめに
- LED電球や節電モードの家電を使う
電気は多くの場合、石炭や天然ガスで作られています。その分、使いすぎると温室効果ガスが増えることになります。
🚲 ③ 移動方法を工夫する
- 近くなら自転車や徒歩にする
- 家族で出かけるときは車を1台にまとめる
- バスや電車などの公共交通を利用する
自動車のガソリンも、CO₂の大きな原因のひとつ。移動のしかたを変えるだけでも、地球にやさしい選択ができます。
🌳 未来のために広がっている新しい取り組み
🏫 学校では
- エコスクール(省エネや緑を増やした学校)
- 授業での環境学習
- クラスごとの省エネチャレンジ!
🏢 企業では
- CO₂を出さない電気「再生可能エネルギー」を使う工場
- プラスチックを減らした商品づくり
- 社員に「エコ通勤」やテレワークをすすめる動きも
🏘️ 自治体では
- 街中に「グリーンカーテン(植物の日よけ)」を設置
- 省エネの家づくりを支援する制度
- 木を植えたり、ビオトープ(小さな自然)を守る活動
💬 一人ひとりの行動が、世界を動かす

「こんな小さなことに意味があるの?」と思うかもしれません。でも、ひとつの家庭の工夫が、地域を変え、国を動かし、地球全体に届くこともあるのです。
たとえば…
- ゴミの量を減らせば、焼却炉のCO₂が減る
- 子どもたちが学べば、将来のリーダーに育つ
- SNSやブログで発信すれば、誰かの意識が変わる
私たちは、今まさに「未来を選ぶ分かれ道」に立っています。

今日からできること、できるだけのことを、一歩ずつ始めていきましょう。
まとめ──暑くなる地球で、私たちができること
結論:地球の未来は、私たちの手の中にあります。
2025年の夏、日本はかつてない暑さに包まれました。そしてこれは、偶然ではなく、地球全体の気温が上がっているサインでもあります。
なぜこんなに暑くなっているのか?──それは、私たちの生活から出る温室効果ガスが、地球をすこしずつあたためてしまっているからです。
このまま気温が上がりつづけると、日常の暮らし、スポーツ、学校、農業、そして私たちの健康にも、大きな影響が出てきます。
でも、希望もあります。
世界中で、そして私たち一人ひとりの選択によって、地球の未来は“もっと悪くなる未来”だけでなく、“まだ間に合う未来”にもなりうるのです。
🌿 今日からできることは、たくさんあります
- エアコンの使い方を見直す
- ゴミを減らす
- 徒歩や自転車で出かけてみる
- 身近な自然を守る取り組みに参加する
それらはどれも、ちいさな行動に見えるかもしれません。でも、その一歩一歩が、未来の気温を変える力になります。
未来の夏が、「今年より少しだけ涼しいね」と言えるように。
私たちの手で、地球の未来を選んでいきましょう。